阪神淡路大震災、新潟中越沖地震、東日本大震災、熊本地震と記憶に新しい地震だけでもたくさんの地震が日本国中で起きています。
日本は世界でも稀に見る「地震多発国」首都圏近郊も30年以内に70%との確立で大きな地震が来ると予想されています。
大切な家族を守るため、「安心・安全な家づくり」耐震性の高い住宅をご提案する事は
私たちの使命です。
過去の地震に対するSE構法の実績
阪神淡路大震災後の震災報告書の指摘事項に応えて開発されたSE構法は、新潟中越沖地震、福岡県西方沖地震・東北太平洋沖地震を経験し熊本地震においても震源付近にて大地震を経験しましたが、これらの地震に対して構造的被害はなく安全性が確認されています。
SE構法の構造躯体に使用する木材には、全て「構造用集成材」が使われています。
「構造用集成材」とは、十分に乾燥され強度ごとに分類した「ラミナ」と呼ばれる木材を、科学的に計算しながら張り合わせた「エンジニアリングウッド」のことです。
一般的に自然のままの木材は、乾燥の度合いや強度が「わかりにくい」「ばらばら」というケースがほとんどです。しかし構造用集成材は、含水率が低く、部材ごとの強度が表示されています。強度や性能が明確であるということは、「どの部分にどの部材を採用するか」を安心して決められるということでもあります。その点で、SE構法を耐震性に優れた構造躯体にするために、とても重要な要素となっているわけです。
一般の在来木造工法と呼ばれる工法では、柱と梁をつなげる部分に「ほぞ」といわれる穴加工をしているケースがほとんどです。これについてはその部分の強度不足が問題視されています。昔の寺社仏閣のように、20㎝以上の太い柱を使っていれば問題ないのでしょうが、現在の12cm程度の柱に穴をあけると、残る部分があまりにも少なくて、その部分の強度は著しく落ちます。大地震の際にこの接合部が壊れたケースも多く見られました。
SE構法では、特殊な金物を使うことでその断面の欠損が少ないというメリットがあります。また、乾燥している集成材ということで、木造自体の収縮も少なく、なおかつボルトやドリフトピンで強固に接合しているので、熊本地震でも注目された「連続した揺れ」に対しても非常に強いと言えるのです。
先の「熊本地震」でも大きな話題になりましたが、大きな地震による揺れが発生した時に、最も壊れやすい部分が柱と基礎の連結部分です。建物が大きく揺れるとその主要な柱に大きな引き抜きの力がかかってしまうのです。この部分が弱いと、大地震時に柱ごと引き抜かれて建物が大きく損傷します。この柱の引き抜き強度というものは「阪神淡路大震災」以来、大地震の際には大きく注目される要素です。在来木造では、基礎と連結した土台を介して柱が取り付いているので、いくら金物で補強しても強度に限界があります。
SE構法では、「柱脚金物」という特殊な金物で、基礎と柱が直接連結しているので、その引き抜き耐力が大きく向上しています。その力は最大24.4tという数字で、在来木造のホールダウン金物の5倍以上もの力を発揮するのです。これによる耐震性の向上はとても大きいものがあります。
木材や接合する金物が高い強度を持つことは大きな要素ですが、SE構法が地震に強いと言える最大の理由はこの「構造計算」というシステムにあります。
木造住宅ではあまり聞きれない「構造計算」ですが、ビルやマンションなどの鉄骨造や鉄筋コンクリート造の世界では常識的に行われている手法です。意匠設計士がデザインした設計計画に対して、大きな地震や台風がきても建物が壊れないように、専門の構造設計士が様々な角度から数値的に計算をして、その部材や太さなどを決めていく行為です。
意外に知られていないことですが、この「構造計算」は一般の木造住宅では法律で義務化されていません。つまり、その代りに設計士の勘と経験で建物の安全性を決めていたという事実があります。
大規模木造建築から始まった「SE構法」は、木造住宅といえどもその考えを良しとせずに、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同様に、数値に裏付けられた「構造計算」を行っています。もちろん、「耐震等級」についても最高等級を取得可能です。これも科学的に耐震性の高さを裏付ける大きな要素となります。
例え科学的に「構造計算」をして耐震性の高い設計図を作成したとしても、実際に使うその部材や加工精度が低品質なものであればまったく意味をなしません。
SE構法では、構造計算によって指定された部材の種類や大きさ、金物の設定などのデータがそのまま指定プレカット工場へ直接つながる仕組みを持っています。それによって、計算された通りの部材が高精度に加工されて、建築現場に直接届く仕組みとなっています。
施工についても、専用の資格を持った建築会社による施工が行われ、現場検査も行われています。その仕組みが最長20年の構造躯体の保証のシステムまでつながっています。
「SE構法」が自由度の高い空間を実現できる最大の理由は、その「ラーメン構造」という構造躯体の接合部の考え方にあります。
一般的な在来木造工法では、柱と梁をつなぐ接合部は「ただつながっているだけ」です。つまり、横揺れが起きると簡単に倒壊するわけです。だから「筋交い」と呼ばれるつっかえ棒が必要となります。単純な話、地震に強い家にするにはその「筋交い」をバランスよく、数多く配置することが重要になるのです。そうすると、家の中の至る所に柱や壁が必要となります。つまり、開放的な空間は困難になるのです。
「地震に強い家」=「閉鎖的な空間の家」となってしまうわけです。
一方、重量鉄骨造のような「柱」と「梁」が強固に接合されている「ラーメン構造」では、筋交い以外の構造躯体で耐震性を高められるので、家の中に柱や壁が少なくても地震に強い家となるわけです。「SE構法」は木造でありながらその接合部に特殊な「SE金物」と「Sボルト」を使って、ラーメン接合の強さを持つことが可能となっています。この強みを生かして、木造住宅でも自由度の高い空間設計を可能としているわけです。
「地震に強い家」=「開放的な空間の家」を実現しています。
建物全部をラーメン構造にするためには、その部材や金物類をヘビーな仕様にしなければなりません。そうなるとコストも大きくかかってきます。そこで「SE構法」では、「ラーメン構造」で持たせる部分と「耐力壁」と呼ばれる強い壁で持たせる部分をバランスよく配置することでコストパフォーマンスを最大化しています。その「耐力壁」の強さも在来木造の壁に比べて2倍以上の性能を持っているので、トータルでも必要な壁は少なく済みます。
この耐力壁の強さも空間の自由度を高める要素なのです。
これまでも述べましたが、特に木造住宅においては「自由度の高い開放的な空間設計」になればなるほど、「耐震性」の向上が大きな課題となります。「SE構法」の特徴である「ラーメン構造」や「高耐力壁」を採用すると同時に、その強さが理論的に組み合わせるために「構造計算」が重要になるのです。「柱や壁が少ない大空間」、「光が差し込む大きな開口窓」、「気持ち良い吹き抜け」などの空間設計をしても、その全てが「構造計算」によって支持された構造部材で作られます。それは、住宅の設計者にとっても大きな安心感をもたらします。家を建てるお客様に自信をもってご提案できるのです。
子供が増える。2世帯暮らしになる。家族構成は次第に変わっていくもの。そんなライフスタイルの変化に応じて間取りを変化させるのがスケルトンイフィルの考え方です。SE構法なら躯体や基礎、外壁などの構造部分(スケルトン)と内装や設備、仕切り壁など(インフィル)を分け、リフォームによってインフィルを大きく変えることが可能です。
資産価値の向上にも繋がるSE構法の「性能」の1つです。